希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
「とにかく、夜遅くに出歩くんじゃねぇ。」
「無理」
「おい・・・」
あたしは口を尖らせる。
「だって・・・ライブできなくなるじゃん・・・」
「土日にするとか・・・」
「ヤダ。家に居たくない」
「どうして・・・」
「とにかく!あたしは補導されてもライブ続ける!」
「紗恵、お前なぁ・・・」
「お願い、先生。・・・あたしから音楽を奪わないで」
「え?」
あたしは先生の目をじっと見つめていった。
「他なら奪ってくれてかまわない。でも、あたしから音楽を奪わないで。そしたらあたし・・・何もなくなっちゃう・・・」
「紗恵・・・?」
「生きてる意味が、無くなるから。・・・お願い・・・」
「・・・・お前・・・・」
「じゃあ、サヨナラ!」
あたしは廊下を駆けた。
あと少し、あの場所に居たら。
あたし、きっと泣いてた。
泣いたら、全てを話してしまいそうで怖かった。
全てを話したら、貴方が傷つくんじゃないかって。
もしあたしの傷で貴方が傷ついた時、どうしようって思うんだ。