希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
「あんたのコトを・・・どれだけの女が怨んでるか知らないでしょ?」
「・・・知らないわ」
「非情者だって、みんな言ってるわ!」
「あたしは・・・・」
下を向いてたあたしは篠田さんに目を合わせる。
「あたしは、あたしで居たいの」
「なっ・・・」
「確かにやってるコトは男好きでタラシって思われるような行動だよ。・・・でも本当は違う。あたしには愛が無いの。」
篠田さんは戸惑う。
「みんなに無いモノがあるから、みんなに有るモノがないの・・・」
そして再び俯く。
「媚うらないあんたが更に嫌い。・・・でも、分かるわ。あんたの気持ち」
それだけ言うと篠田さんはサッサと去って行った。
あたしは一人で立ち上がろうとする。
「?」
でも立ち上がるコトが出来ない。
目の前が急に白くなり始めて、頭もボーっとしている。
あたしは地面に倒れこむ。
「井上さん!?」
すると誰かが寄ってきてくれた。
「井上さん!?大丈夫?」
「君は・・・後藤君?」
「よかった・・・・」
あたしに手を差し伸べてくれたのは、クラスで大人しいメガネの読書家だった。