希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
公園のベンチに腰をかけ、後藤君は自販のミルクティーを買ってきてくれた。
「・・・ありがと」
「ん。」
普段あまり話したことのない人とこんなに近く話すのは緊張した。
「ねぇ、後藤君」
「なに?」
「見てた?修羅場。」
「・・・ごめん」
「ううん、いいの。あんな所で堂々とやるもんじゃなかったよね。」
あたしは冷たいミルクティーを叩かれた頬に当てる。
「そういえば、さっき、大丈夫だった?」
「うん。ちょっと疲れてたのかも」
「そっか。・・・それ、ギター?」
後藤君はあたしの肩にもたれている黒いケースを指した。
「うん。アコギ。」
「弾くんだ。」
「バンド、やってるんだ」
「いいね、バンド」
「一曲聴く?」
「え?」
「あたしの作った曲、聴かせてあげる。さっきのお礼に」
「ホント?」
「へへっ。ちょっと生意気に言ってみた」
「ふふっ。じゃあ聴かせてください。」
「了解しましたっ」