希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
「女にウツツを抜かしてるあんただけには言われたくないね」
あたしは父を睨む。
「何だ、その口の聞き方は!!」
「あたしはあんたみたいなヤツだけには成りたくない!!」
「何だと!?」
父は更に詰め寄る。
「肩書きや名誉だけが一番で、やってるコトなんかクソ以下じゃない。周りからの目ばっかり気にして、結局いつも中身は空っぽ。」
「調子に乗るな!!」
――ボコッ
父は力任せにあたしの頬を殴った。
「…知ってる?人って言われたコトが図星だと、左下を向くか、人に当たるか何だよ?」
「っ…!」
あたしは切れた唇に触れると立ち上がった。
「まれに見る低脳人間の心理学的傾向ね」
「おい…!」
あたしはカバンを持って階段を上がった。