希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
――ガチャ
ギターとスーツケースを片手にやってきた。
長野の別荘のカギを閉める。
あたしは座り込んだ。
「っ・・・・」
どれだけ強がっても、人は弱い。
もう、終わりだと思った。
――♪~
流行りのラブソングが流れた。
あたしは乱暴に着信を受ける。
「・・・もしもし」
『紗恵?今、どこにいる?』
「麻友・・・」
声の主は、麻友だった。
「長野。」
『なんで長野なの?明日も学校じゃん』
「行かない。・・・帰る場所なんて、本当に無くなっちゃったし・・・」
『紗恵、声震えてる』
麻友の言った通り、あたしの声は震えてた。
怖くて、孤独で、どうしたらいいのか分からなかった。
希望なんて、見えない。
・・・センセ、もう希望の唄は歌えないよ。
「ねぇ、麻友・・・」
『ん?』
「麻友を、頼っていい・・・?」
聞くとすぐに麻友は笑った。