希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
――それは全て英語のラブソングだった。
しっとりとした重低音。
少し哀しい感じの旋律。
切ない言葉の一つ一つ。
あたしは噛みしめるように歌った。
“何も言わなくていい 今だけは傍に居させて”
あたしが作ったこの歌は、誰の為でもない。
いつだって、贈りたい人は一人。
でもその人には伝わらない。
“あなたに近づきたかったの だからあなたみたいになろうって
でもできなかった どんなに無理したって
あなたは他の誰でもないのね”
この英語の意味を、
この言葉の意味を、
どれだけの人が分かっていて、
どれだけの人が分からないかなんてどうでもいい。
あたしはファンに歌ってるんじゃない。
――あたしは先生に歌ってるの・・・