《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「それで、姫様は外に出られたことはありますか。」
「もちろん。」

 思わずため息が出そうになった。

 あまりにもお転婆ぶりに、王や王妃やいろんな人たちが手を焼いたのか。

 もう十五歳になったミュウエノアなのに、まだ分かってない。

「それで、外に出て面白いものを見つけたんだ。」


――あ~あ。出たよ、いつもの冒険話。――

 ルミナミエと年が近いせいか、ミュウエノアはルミナミエに、聞くと呆れるようなお土産話をする。

「姫様。また木に登られたのですか。
 将来、女王となる姫様が、木に登って落ちたらいかがなことかと・・・」

「平気、平気さー。だって、落ちて死んだことがないから。」

「姫様!当り前です。」

 一五歳になってこれか!!っと改めて思うルミナミエ。


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