《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「ルミナミエ・ローデンスよ。」

 低く不気味な声が響き渡る。

 あまりにも不気味さに、思わずシオンにしがみつく。

 おそらく見知らぬものに呼び捨てにされたことに、怒りを覚える。

 怒りと怖さが複雑に絡み合う。

 追い打ちをかけるように、

「我が国の第一王女にして、王位継承順位第二位のミュウエノア姫様を殺した。」

 心に強く突き刺さる。

 まるで雷が自分に落ちたように。


「それだけではない、国王様たちに嘘の説明した。

 “天才医者”っと言う名ばかりの地位を使って王家に近づき、そして姫様を殺した。

 この裏切り者に、我らが成敗しなければならない。

 皆、行け。

 捕らえよ、大悪魔ルミナミエを。」



< 103 / 222 >

この作品をシェア

pagetop