《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 しかし、到底魔法のイヤリングとは思えない。
 ごく普通のイヤリングにしか見えない。

「これをつけた人は、どんなに攻撃的な魔法を受けても撥ね返すことができる。
 まさに、ルナがつけるべきイヤリングだよ。」

 効き目は半信半疑だが、ミュウエノアの優しさが伝わってくる。

 ルミナミエは、断るわけにはいかなかった。

「ありがたく、頂戴いたします。」

「それでいい。ルナがつければ、どんなことでも大丈夫、大丈夫。」

 十五歳なのにこんな調子じゃあと呆れるが、将来きっと心優しい女王となるだろうと、ルミナミエは思った。


「あっ、そういえば、今日ナナ(スノハナナ、ミュウエノアの妹)はいつもより元気だよ。」
「ありがとうございます。

 では私はこの辺にて失礼します。」

 荷物と、イヤリングを持ってスノハナナの部屋へと向かった。



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