《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
第四章 真実と諍い
 ルミナミエが初めてエクシリオンの部屋に入って二日後のこと。


「ミュウよ、あの世でやっているか。」

 今日も王妃は、ミュウエノアの遺影にすがりついている。

 ミュウエノアが死んだ日からずっとこうだ。

「母様、姉様は戻ってきません。」

 スノハナナが王妃の後ろに立っていた。

「ナナ、何ということを。」

 王妃の顔が真っ赤になり、手が出ようとしたその時。


「大変だっちょ、大変だっちょ。」

「誰?」

「あぁ、チョッピーか。」
「そうだけどだっちょ。」

 チョッンピーはとにかく翼をはばたく。

 羽が出てもおかしくない。




 
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