《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 王一家が身を乗り出すように、チョッンピーに目を向ける。

「この手紙を残してどこかへ消えましただっちょ!!!」

 チョッンピーの叫びが、王一家の心を刺す。

 そのまま沈黙が流れる。

 チョッンピーは慌てて気づき、ポシェットの中から手紙を取り出す。

 パタパタと羽ばたいては、王に近づきそのまま差し出す。


「これを読めと言うのか?」
「その通りにございますだっちょ。」

「チョッピー、しばらく隣の部屋にいてよいぞ。
 用があったら、またよぶぞ。」

「はいだっちょ。」

 ぺこって鳥なりに礼をして、そのまま飛び去った。

 慌てているのか、元気なのか・・・

「チョッピーは元気だな。」

 王のため息交じりの声。


< 126 / 222 >

この作品をシェア

pagetop