《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 あれから、現地語で『誠実』を意味する『エクシリオン』と名付けられた。

 エグフィーダが丹精込めて、エクシリオンを育てた。

 エグフィーダはドードレッシ家によって妻子を殺されたので、まるでわが子のようにかわいがった。

 時には、ルミナミエと一緒に勉強したり、遊んだり・・・

 のちに分かったことだが、エクシリオンはルミナミエより一歳年下。

 ほぼ同い年の二人はすぐに仲良くなった。

 
 父によって動物にされ、なおかつ捨てられたエクシリオン。

 しかし、そのことを忘れるような幸せの毎日が続いた。


 だが、エクシリオン十二歳のある日――

 自分の部屋に入ったら、突然アルベールが現れた。

「ルクファーダを殺せ!」




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