《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 ルミナミエの声が、部屋中に響く。

 強い口調が、エクシリオンを黙らす。

 顔がゆるみ、泣き出しそうな顔。

 それに追い打ちをかけるかのように、ルミナミエはエクシリオンを睨みつける。

 もはや、アルベールたちに対する恨みのほか、感じられない。


 エクシリオンの顔が、なんか変わった。

 何かを伝えたいのか・・・。

「ルナ。ルクファーダとエグフィーダを殺したのは僕だ。けど、聞いてくれ。

 あの時は復讐が一番の方法だと思っていた・・・だが、今は違う。

 復讐は何も役に立たない。
 人々に憎しみしか植えつけないものだ。」

 ルミナミエに向いていた視線が、アルベールに向いた。

 やっぱり、アルベールを睨みつけている。

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