《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「もぉ、どこにいるの!!」

 黒く長い髪を揺らし、ルミナミエは廊下を走っていた。

 同時に、ひざ上まであるグレーのプリーツスカートがひらり、ひらりと舞い上がっている。

 そんなスカートの動きとは裏腹に、ルミナミエの焦りは頂点に。


「ルナ(ルミナミエ)。どうしたの?」

 診察室から、この病院で働く医師、キーソ・セレスフィアが出てきた。

「キーソ。シオン(エクシリオン)知らない?」

 エクシリオンは、ルミナミエの助手だ。

「知らないね。」

 分かっていた答えだった。

 だけど、焦りはさらに高まった。


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