《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 一緒に勉強した。

 一緒に泣いたり、笑ったり・・・。

 世界はこんなに暗く、冷たいものとは知らず。

 あの頃は平和だった。

 しみじみに思い出しては、離れない。

 

「始めは動物にされて悲しかった。

 でも、ルナの優しさが、僕を慰めてくれた。
 恋とは違うけど、大好きだった。

 だけど、初めて出会って七年後。ルクファーダを殺すように命じられた。
 僕は素直に命令を実行した。

 そして・・・。」

「もう分かっている。お父さん・・・。」

 ぽろぽろ涙が出てくる。

 単純にルクファーダが死んだことに対してじゃない。

 エクシリオンに対する恨みだってある。

 しかし、それ以前にアルベールが許せない。


 

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