《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「大丈夫、治療するから。」

「ルナ、お願いだ。

 このまま・・・死なせてくれないか。」

 死なせてくれないか・・・。


――えっ?――

 自ら死を望む。

 大好きなエクシリオンが、いなくなる。

 そんなの無理、無理。

 無理に決まっている。


「いやっ、死んじゃ嫌だ!」

 涙が一筋流れる。

「私、シオンのこと、好きだから。

 だから、生きて、生きてほしい。」

 ほろりと、ルミナミエの本心がこぼれる。

 幼い子のようにせがむ。



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