《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 そして、午後五時。

 ついに、ルミナミエ一人になれる時が来た。

 自分の部屋にこもり、ばったっとベッドに倒れこんだ。

 疲れがたまっていたのだろうか。
 うとっと寝そうになってしまう。
 だけど、寝るのをこらえて考えた。


――この気持ちは、なんなの?――

 大声に出して、吐き出したい気分。

 なぜ、自分がこんな気持ちに襲われなきゃいけないのか。
 次第に、『この気持ち』に対する苛立ちを覚え始めた。

 ルミナミエは、近くにあった枕をつかむと、天井に向けて投げた。

 だが、あおむけ状態まともに投げられなかったのか、すぐにぼとっと落ちた。

 
「はぁ~。」

 勢いよく出た溜息は、苛立ちと嘆きを吐き出したいっと願った、ルミナミエの気持ちそのものだった。

 
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