《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「お父さんはね、お母さんの優しいところが好きだったんだよ。」

 突然、ルクファーダの言葉を思い出した。

 三歳の時に亡くなった、ルミナミエの母『ノノン』のことを語ると、いつもきまって文句。

 もう、呆れるほど聞いた。

 だけど、今となっては・・・


――す・き……。――

 この二文字がルミナミエの頭にこだます。

 心にこだます。

 
――好きって、どういうこと。――

 慌てて、地球で言えば国語辞典を引っ張った。

 ページをめくる。めくって、めくって。


――どこだ、どこだ・・・。――

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