《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「ルナ。もう大丈夫だっちょ。」

 チョンッピーの声に、ルミナミエは我に返った。
 もう、揺れは収まっていた。

 支えをそっと外し、周りを見渡した。

 今のところ、崩れる気配はない。
 ルミナミエは胸をなでおろした。


 窓から外を見ると、家は跡形もなく、崩れていた。ルミナミエは思わず、目をつぶった。


――あぁ、何ていうことだ。
 大好きな街が、こうなるなんて・・・。――

 泣きたくなった。もう、何も手が付けられない。

 しかし、病院の近くを見ると、次々とけがした人、動物が運び込まれている。


――こっ、これは。こうしている場合じゃない。――


 ルミナミエは、再びペンダントに向かってこう言った。 




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