《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「確か、オキリンドールはここら辺にあって、今確認しただけでも、ええぇっと・・・。」

 さっき一瞬よぎった思いを捨て、いつもの院長ルミナミエを装っていた。

「シオン、オキリンドールの数は?」
「えぇっと・・・。十二個。」

「十二個!?」

 メルキラリは、エクシリオンが言った数に驚いた。

 ルミナミエはその様子から、少し嫌な予感がした。

「メル、まさか、十二個じゃあ足りないと・・・。」

「大当たり。」

 予感は的中した。だけど、そんなに必要かっと疑問に思った。

「じゃあいくつ必要なの?」
「三十個。」

「さぁっ、三十個!?ねぇ、そんなに必要。」
「必要。だって、大出血している人・動物がいるの!」

 今、疑問が解けた。

 オキリンドールは大出血したときの、最終止血手段として投与される薬品だ。

 ルミナミエは地震で、大出血している人・動物がいることを忘れていた。


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