《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 二人はこのままテントに着いた。

 二人にとっては、やっとっという思いが強い。


「ミュウ姫様、ルミナミエにございます。」
「エクシリオンにございます。」

 っと言った瞬間、二人は青ざめてしまった。

 ミュウエノアが、あまりにも無残な姿でいたからだ。

 頭や、足、腕が包帯で巻かれていて・・・。

 包帯に血がにじんでいた。

 二人はこんなのには慣れっこのはずだが、これに限ってはさすがに度肝を抜かれた。

 いつも元気で、城を抜け出してはけがして、王や王妃にどれだけ怒られたのか。

 そんなミュウエノアが、包帯だらけで、しかも意識がないのはにわかに信じられない。


「ミュウ姫様。」

 ルミナミエの声は、力もなく、弱々しかった。

 その場に立ちすくんでしまった。



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