《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「王妃様。では、ミュウエノア姫様のことについて話します。」

「分かった。」

 王妃は、ただ淡々と答えた。


「まずこの怪我についてですが、頭蓋骨に一部ひびが入っています。
 それに、数か月前に骨折した箇所が、再び骨折してます。
 あと、見てお分かりのとおり、頭、腕、右足の大出血が起こっています。」

 王妃は、ルミナミエの説明に青ざめかけながらも、しっかりと聞いていた。

「それで、まず血を止める手術をし、次に頭蓋骨のひびを元に修復します。
 それから足の骨折は、状況を見て手術を行うか検討します。
 よろしいでしょうか。」

「ルナを信じるのみだ。
 皆の者、ミュウのけがを直すのに全力を挙げよ。」

 王妃は、最後の方には熱がこもっていた。

 わが子を救ってくれっという思いが、ひしひしと伝わる。

「ははぁ。」

 一同、みな頭を下げた。


 
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