《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「ルナ。やるか?」
「うぅぅん・・・。」

 ルミナミエはここにきて迷った。

 予想以上の出血に驚くしかなかった。
 
 死ぬ確率が高い止血法を使うか・・・


「躊躇(チュウチョ)している暇はない!」

 エクシリオンの怒りが半分混じった声が、ルミナミエに突き刺さる。

「リデアロンやる。」

 リデアロンとは、大出血の時の止血法だが、術後死ぬ確率が二十五パーセントと、他の止血法より高い。

「分かった。」

 エクシリオンは淡々と答えた。

「覚悟はいいか。」
「うん。」

 ルミナミエはこっくりとうなずいた。
 その目は、さっきの迷っている目とは違っていた。

 覚悟を決めた目だった。


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