《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 出血した箇所を探し、見つけた。

 ペンダントレントゲンを紙に印刷したものを、点滴の袋に貼り出した。

 それを頼りに、ひびが入っている箇所を力を抜いて、軽くなぞる。


「少しずれてなくない?」

 エクシリオンにそう言われた。

「右・左に、どっち?」

 ルミナミエは、ずれてないっとてっきり信じていた。

「左に一ミリ。」

 えっ、たったの一ミリでしょう?って思うかもしれないが、なぞるとそこに光が浮かんでくる。
 それを頼りに、治療していくのだが、一ミリでもずれているとくっつかない可能性がある。だから、細心の注意を払っていかなきゃいけないわけだ。

 おおぉっと、話がそれてしまった。元に戻そう。

「うぅん、ずれてないっと思うのだが、仕方ないか。」

 ルミナミエは、エクシリオンに指摘された箇所から、もう一回なぞり始めた。

 頭の中には、はてなマークが浮かんだままだが。



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