《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
――それにしても、この手術は嫌らしいねぇ。――

 ルミナミエはふと思ってしまった。
 いけないっと思って、目の前にある、やらねばならないことをする。

 エクシリオンは、かたずをのんで見守っていた。

 ルミナミエが、心配で心配で仕方がなかった。

 この手術は、まだ医者になりたての頃、三回連続失敗している。
 そのあとも三回ほど失敗している。
 ルミナミエにしては、相性の悪い手術だ。


 ルミナミエの手つきが、だんだん悪くなっていった。


――なんだか、怖い。失敗したくない。のに・・・。――

 手が震えだした。

 過去の失敗例がよみがえりそうになる。

 いけないっと思うとまた・・・。

 手や、顔、背中、いたるところから汗が出てきそう。

 顔も自然に、真顔から何かにおびえている顔になった。



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