《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 エクシリオンは、そんな相棒の異変に気づいた。

 ルミナミエの顔に冷静さはない。


――ルナ。僕は、どう声を掛ければいいのか。――

 ルミナミエは今、責任重大なことをしている。

 言われなくてもわかることだ。

 しかし、あまりにも手が震え、顔や手から冷や汗が出て。

 このままじゃ、手術が失敗する恐れがある。

 なんとか押さえたい気持ちがあるが、その方法が見つからない。

 エクシリオンは、なぜか顔が赤くなった。


「はっ!」

 ルミナミエが、今まで以上におびえた顔をしていた。

「どうした?」

 エクシリオンが小声で言う。
 周りの者を混乱させたくなかったからだ。

 

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