《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
――シオン、エクシリオン。

 やっぱり、シオンがいないとなんか、なんか・・・――

 
 木琴のように高い声。

 いつもそばにいてくれる頼もしい存在。

 ひょこひょこっと小さくて、こっちまで癒されるような。

 改めて、エクシリオンの存在の大きさに気付いた、ルミナミエだった。

 だけど、今はそう言ってられない。


 手早く荷物をまとめ、呪文を唱えた。

「デラッセラ・フォーリック。」

 一瞬、後ろ髪が引かれる感じがした。

 しかし、その思いは、また一瞬でかき消された。

 光とともに、ルミナミエは部屋から消えた。

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