《完》１７歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~

「ミュウ姫様。」

　ナイリーナが呼び掛ける。しかし、ミュウエノアの反応はない。
　麻酔がかかったままだ。

　光が完全に消えた。

　ルミナミエは武者震いをしながら、ミュウエノアの頭を見る。
　エクシリオンも、緊張が隠せない。

「ルナどうだ？」

　王妃の声が響き渡る。
　ルミナミエと、エクシリオンの緊張が増していく。

　もし、王妃の前で手術に失敗したら？

　それを考えると、手も足も出なくなる。

　しかし、今は手を出さなきゃはじまらない。

　だから、震える手をミュウエノアの頭に。そっと触れようとしたら、思わず力が入りかけた。


「これは・・・。」

　ルミナミエの呼吸が浅くなりかける。

　震えが収まらない。手汗が止まらない。