《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 みんな部屋を出たことを確認し、ルミナミエは顔を上げた。

「ルナ、どうしたのか?」

 王妃の何気ない一言が、ルミナミエの心を突き刺す。

 ルミナミエの顔がこわばる。


「ミュウ姫様は・・・。

 ミュウ姫様は・・・。」

 一斉にミュウエノアの顔を見る。

 何事もないかのように眠っている。

「もう、これ以上・・・助かり、ません。」

 ルミナミエは崩れ落ちた。

 呼吸が再び浅くなりだす。

 悔しさばかりがこみ上げては、頭から離さない。

 泣きたい、けど悔しさばかりが押し寄せる。

 王妃の心の中はぽっかりと穴が開いた状態。

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