《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 だから、エクシリオンに異変を気づかれても何も言わなかった。

 “若き天才医者”っと言うプライドが崩れそうで。

 
「ルナ、シオン。」

 皆、ミュウエノアがしゃべって慌てる。

「母様、父様、トナ、ナナ。」

 元気な声が、逆に悲しく聞こえる。
 もう、二度と聞けないっと思うと。

「ありがとう。そして、ごめんなさい。」

 何か眩しく光るものが見えた。

 涙・・・だろうか?

 この時、ミュウエノアは何を感じていたのだろうか?

 本当だったら、きっと、ルミナミエを憎んでいたのだろうか。

 だけど、ミュウエノアの顔からは、そのことを読み取れない。


 
< 87 / 222 >

この作品をシェア

pagetop