《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「治療するのが怖いのか?」

 まさにそれもある。

 甘い声と自分の思いを見抜かれ、ひくっと動き、冷や汗が出る。

 急に寒く感じる。なのに、心臓は暑いぐらい動いて。

「た、し、カ、に・・・もう、コワクテ。」

 自分で何言っているのか、分からないぐらい。


 エクシリオンは、ルミナミエの肩に手を当て握り、

「ルナ、おかしいぞ。しっかりしてくれ。」

 体を激しくゆする。

 これじゃあ、余計におかしくなる。

「ルナ、ルナ、ルナぁ。」


――いつものルナじゃないな・・・。――



 
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