天龍Ⅰ
☆.1章
お嬢様学校
春のポカポカと暖かい太陽の日差しが差し込む
5月の下旬。
今日も通いなれた通学路を、黒塗りのローファーをカツカツと鳴らしながら歩いて行く。
すると、前方に見慣れた背中が目に写り、
あたしは小走りでその背中に駆け寄って行った。
「亜衣っー!おはよー」
「あっ、なな!おはよ」
そう言いながらニコッと笑顔を向けて来たのは、
あたしの親友、立川 亜衣。黒髪ストレートがすっごく似合う美人さんだ。
そしてあたしの名前は
新井なな。16歳の高1。
5月の丁度いい気温の中、2人たわいもない話をしながら歩道を歩く。
すると、前から他校の男子4人が歩いて来た。
どちらかといえば真面目風の4人組。
すれ違いざまチラチラとこちらを見て来るのが分かる。
そんな4人の反応を感じたのか、亜衣は一つため息をもらした。