月の光につつまれて



田邉さんの腕の中にいても、涙は止まってくれない。


しゃくりあげながら聞く。



「なん・で。鍵・・・閉めたはずなのに・・・・。」


「この前、俺の車に落して行ったんだ。昨日、見つけた。」


「うそ・・・。無くしたと思って新しく作ったんです。車に忘れてきちゃったんだ・・・」




私は田邉さんの背中に手をまわして抱きつく。
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