恋した季節
「はぁ・・・・」また重いため息をついてしまう。

塾への道はけして明るいステップで歩けるものではなかった。

出来るだけ遅く行きたい、出来るだけ授業を早くさせるために。

そんなことばかり。

それに、いつもトップをとっている私を妬んで小さいいじめがおきている。

私が入る前には必ずトップをとっていた椎葉亜由美を引き連れて何人かの女子が私の靴を隠したり物をゴミ箱に捨てたりしてるのだ。

でも気にしない。

母親に勉強勉強って言われるよりはマシだと思うから。

先生は誰も助けてくれない。「俺が味方だからな。」なんて嘘くさいしね。

誰も信じない、信じたくない。信じられる人なんていない。

人間は汚れた生き物。

どうせ誰だって『人の不幸は蜜の味』なんだから。

あなたに会うまでは、そう思ってた。
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