恋した季節
~優SAID~

俺は、原田優。『高3』だ。

俺は不良でろくでもなしだ。

勉強や将来なんぞに興味は無い。

でも、一つだけ気になることがある。

それは、隣の高校の女子。

毎日毎日、ため息つきながら重い足取りで歩いてる。

すごく綺麗な顔してんのに、疲れてる。

最初に見つけたのは、つるんでる仲間と歩いてるとき。

反対から、ストレートの髪でほっそりとした女が一人。

俺は最初、その女をナンパでもしようと思ったけれど・・。

あんな顔されたら、する気にもならない。

さっきも言ったけど、ものすごく疲れてる顔、その顔みると話しかけずれぇ。

だから俺は、気づかないふりをして歩いた。

でもその日から、俺はその女子を見るために同じルートで下校するようになった。

方向も違うのに、わざわざ。

それがなぜなのかは分からない・・、というかまだ分からなかった。

でも今分かった。それは、「恋」という奴。

人を好きになったんだ、俺は。

最初は、そんじょそこらの女子には興味が無かった。

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