ブラッツ
闇からの脱出と出発
ピポーン…
オンボロの家に乾いたインターホンの音が鳴り響く。
んあー?
少年はゆっくり目を開けた。
ゴシゴシと擦れた視界を拭う。
誰だよー…
昼寝中だっつーのに。
イライラしながら上半身を起こす。
ガシガシと乱暴に髪を掻き毟り、
時計を見れば午後6時半。
瞬間、パタンと後ろに倒れた。
めんどくさ。
少年は基本出ないタイプ。
普通、こういう場合一般に言う〝家族〟が出るんだろう。
だがこの少年には〝家族〟がない。
いないのだ。