ブラッツ
「あったあった」
ピピピと操作し続ける少女。
すると少女はうーん、と膝に肘をやり、
「ここしかないかなぁ…ま、気にしない」
なんやら呟きのような声だけが微かに少年の耳に入ってくる。
今にも記憶が飛びそうな少年を見て、少女は少年の耳元で、
「起きろ!!くそガキ!!」
鼓膜が破れそうな声で怒鳴る。
少年はくわんと頭を立て直し、
「で…ででっかい声出すなよー…」
ゴシゴシを目を擦る。
「あんたの為にホテル見つけたの、しょうがないから行きましょ」
ピ、と決定ボタンを押した。
ホテル、と言う言葉が頭を駆け巡る。
ガッと目を見開き、
「ホテル!!!!」
ブウウウンッと凄い勢いで車を発進させた。
カーナビ通りに進んでいく。
寝る!!
まじ寝る!!
死んじゃうもんさ!!
ブウウウンッッと更にスピードをあげた。