ブラッツ
はぁーと息を吐き、
「うん…ここでいい…です」
言って、またため息を一つ。
「じゃあとっとと行くよ」
背を向け、歩き出す少女を前に
「あっ」
少年は大声を出す。
「なんなの?!いい加減黙ってくんない?!」
「金!俺、金ないよ?」
金は全て家だ。
財布も家だし。
「あぁ、あたしが払う」
・・・・・・・・・・・・
ん?と少年は聞き返す。
「あたしが払うっつってんだろ?」
眉間の皺を濃くする少女。
少年も眉間の皺を寄せ、
「えー…
それは男として情けないってゆーか、だいたいホテル料金って高校生少女が払えるような値段なのかなーとか…思ったり」
するとなにやらガサガサと鞄をあさり、
「これがある」
キンピカのカードを取り出した。
「………」