ブラッツ




「ほら、これでやってきて」

ほらほら、とそのカードを少年に手渡す。


少年はじっとり汗まみれの手で、そのカードの端っちょをつまみながら、

「あのさ?そのカードは…一体どこで?」

思い切って聞いてみる少年。



しかし少女はあっさりと

「親父の奪ってきた」


あまりにも平然と、当たり前のように言うもんだから少年は慌ててそのカードを道路に落とす。


しっ…指紋なんとかとかやられたらどうしよ…!!

俺ってバレるじゃん…っ。


「何ビクビクしてんの?それあたしの物。大丈夫」

「へ?貰ったの?」

なーんだなーんだ、と少年は道路に落ちたカードを拾おうとする。



するとまたまた少女は普通に、

「いや、あたしの勝手だけど?」



カードをつまんだまま固まる少年。


「ちょ…っ!!それって駄目でしょ?!」

「は?別にいいでしょ。親父金めっちゃ持ってるし」

ふんとそっぽを向いて呟く。



そうゆー問題?


少年は固まったまま考える。


なんかこの女、不思議だなあ…





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