ブラッツ
この男、少年というほど子供ではない。
歳はきっと20代前半。
でもどこか、子供っぽい。
というか顔は高校生並みに幼い。
この少年はかっこいいわけでもないし、
ブサイクというわけでもない。
背が低めの、普通にそこらで生きてる少年だ。
趣味もなければ、興味を持つことも、物もない。
ダラーと過ぎる日々。
悲しい人生だって、自分自身、一番よく分かっている。
でもどうしようもできないのだから、しょうがない。
ほとんど毎日アルバイト。
趣味アルバイト、なんて。
ピポーン
再び響く枯れた音。
少年はイラっと眉間の皺を深くする。
絶対出ない。
だってどうせ毎回来る、なんちゃらの入会?とかのやつとかだろ?
めんどくせぇ。