ブラッツ
見えた…!
ホテルから海まではとても近い。
少女は靴を脱ぎ捨て、迷いもなくゆっくりと海へと入っていく。
少年はスピードを上げた。
「っち!」
どんどん海へ入っていく少女。
右手にはキラリと光る、真っ黒の銃。
ふざけんなよ…ッ!
石に右手をつき、急カーブ。
階段を何段か抜かしで下りていく。
階段を下りれば砂浜。
砂浜はとても走りにくい。
スピードを最大限あげる。
少女は少年に気づいていないよう。
ゆっくりと、どんどん海へ入っていく。
ちょっと待てよ…ッ!!
少年は砂浜を抜け、靴のままザブザブ海へと入っていく。
波が荒い。
少年は少女の肩を掴んだ。
「…ッざけんなよッ!!」
ぐるりと振り向かせる。