ブラッツ
「待てっつってんだろ?!」
少年は怒鳴る。
声が枯れるくらい。
どうしても、
この少女を助けたい。
「おい!!聞いてんのか?!」
肩を掴もうとした…
「ほっといてッ!!」
初めて聞いた、悲痛な声。
初めて聞いたその声に、少年は驚いて手を引っ込める。
少女はその場に立ち止まり、
「もういや…」
少年に背を向けたまま、微かに震える肩。
泣いてんのか…?
「なん…で?あたしを…殺せないんでしょ…?」
少女は独り言のように呟く。
ぐっと銃を握る手に力が入っているのが分かる。
少年は悩む。
こういう場合、どう対処したらいいんだ…?