ブラッツ
「お前さ…何でそんなに死にてえんだよ?」
言葉と同時に少女はくるっと少年と向き合う。
少女の綺麗な顔は涙でビショビショだった。
それに少年は少し、ドキっとした。
「…もう…っ苦しい…」
少女は必死に何かを少年に伝えようとする。
ボロボロと零れ落ちる涙。
少年は眉間に皺を寄せたまま動けずにいた。
どうしたらいいのか、分からない。
こんなに苦しそうな人と、何を話せばいいんだろうか。
「もう…っ…消えたいんだよ…」
少年は少女の涙を拭ってあげることもできない。
行き場のない手。
「な…何が嫌なんだよ…?」
精一杯だった。
こんなことを言うことだけが。
ものすごく。