ブラッツ



そんなこんなで気づいたら真っ暗な部屋の中。


光一筋もない。

光を完全に遮った密室。


縛られた手足。

身動き一つできない。


息苦しい。

もわーんと埃くさい。


真冬だけあって、物凄く寒い。

カタカタと震える体。


さみぃ…



「うー…」


声も出ない。

身体も動かせられない。


どうしようもできない。

逃げるにも逃げられない。


でも逃げないと…

殺される、きっと。


あいつら…多分ヤバい奴らだと思う…


嫌な汗がだらだら流れ出る。



やばい。

本当にやばいと思う。


誰か…助けてくれ…



できることは願うことだけ。

どうしようもできない。



「うー…っ」





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