夕空
学校までは、親と車で向かった。
友達と上手くやっていけるだろうか
女子の人数…少ないといいな
不安と緊張で、学校が怖く感じた。
学校に着いてから、親と一緒に生徒玄関に向かった。
玄関は、新入生でいっぱいだった。
見た事のない子ばかりで、不安はなくなるどころか増していった。
何年生かは分からないが先輩たちが受付をしていた。
整容が厳しい高校だと聞いていたが、先輩たちはみんなスカートが短かったり、男子は腰パンしていたりと、制服を着崩しているようだった。
これが高校なんだと感じた。
私は受付に行って、名前とクラスを言った。
私の受付をしてくれた先輩が笑顔で
「じゃあ3階に1組の教室があるから、そこに行ってね!」
と言ってくれた。
保護者は別の教室に行かなきゃいけないらしく、私は一人で教室に向かうことになった。
…と言っても階段の場所すら分からない。
知ってる子もいないし、私はただ立ち尽くしていた。
「教室の場所分かる?」
その声に振り返ると、心配そうな顔で私を見る先輩が立っていた。
「あ…分かんないです…」
「やっぱり!案内するから着いてきて」
先輩はそう言うと、私を3階の教室まで案内してくれた。
私がお礼を言うと、先輩は「困ったら何でも言って」と笑顔で言ってくれた。
大分緊張していた私だけど、先輩たちが優しく接してくれたおかげでさっきより気持ちが楽になった気がした。