君と煙草と僕の夢
一人朝食をとるのがさみしくて、一瞬先生を呼びに行こうかと思った。でも前にそうしたとき、寝ているところを起こしたせいで先生の機嫌を激しく損ねたことを思い出し、思いとどまる。そして私は、一人で朝食を終えた。


時計を見る。午前9時半だった。10時からバイトが入っている。たぶん先生は、12時ごろまで起きてこないと思う。私は白いメモ帳に書き置きを残して、家を出ることにした。


玄関を開けて廊下を歩き、エレベーターに乗る。顔見知りの隣人に軽く挨拶をしつつ、マンションの出口にたどり着いた。雨はいっそう激しさを増していて、私の意欲を減退させる。持ってきた傘を開いて、私は建物を出た。

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