君と煙草と僕の夢
「ふん…」



俺は洗面所に行き、出かける支度を始めた。里歌が使った後だったので、洗面所は少し濡れていた。


歯を磨いて顔を洗い、髪を軽く整える。いったん寝室に戻り服を着替え、俺は友人と待ち合わせをしているカフェへ向かった。


車を近くの駐車場にとめて、カフェまで少し歩く。カフェに着くとドアを開き、俺は、待ちくたびれてうんざりしているであろう友人を探した。


一番奥の席…俺がここの席が好きだから、友人はたいていそこにいる。今日も彼は、そのテーブルにいた。



「遅い」



俺の姿を見つけると、祐次は語気を強めてそう言った。眉間にはしわが寄っている。笑える顔だ。



「悪かった」

「いつもそう言うくせに、お前は時間どおりに来たことがない」

「悪かったって。寝てたんだ」

「知ってるよ」

「そう」



椅子に座り外に目をやると、さっきまで降っていた雨は雪に変わっていた。


俺はウェイトレスを呼び、アイスコーヒーを注文した。だいたい、ここの店の暖房は効きすぎている。


祐次の顔を正面から見つめた。祐次もそれに気づき、少しだけ目を見開く。こいつは今日、里歌のことを訊きたくて俺をここに呼んだんだ。
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