儚くて。
第一章

好きな人



「たーま。
 …たま、聞いてる?」


「うえ!? あ、ごめん」


「ちゃんと聞いててよね?
 んでね、銀君が…」



笠井珠未(カサイタマミ)。高校二年生。
高校入ってからずっと独り身、
成績も運動もほぼ平均レベル、
顔もずば抜けていいわけでもなく…



……はっきりいうとあたし、
自分が大っ嫌いだ。
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