女王様と王子様
『何で私がこんなこと…』
放課後。
担任から早速委員長の仕事を頼まれた。
今日中にクラスメイトの名簿を作れということだった。
「お待たせ。ごめんね 先にやってもらって」
部活に遅れることを言いに行った藤臣が教室に帰ってきた。
部長なので休むわけにはいかないらしい。
『部長さんは大変ね』
「でもやりがいはあるよ」
嫌味のつもりで言ったのに気付かない。
これじゃ私が一方的にいじめてるみたいじゃない。
藤臣は私の前の席に座って向かい合わせになった。
そして半分くらい書いた名簿を見る。
「山本さんって字上手いね。習ってた?」
『別に習ってないけど。家の帳簿で鍛えられてるからじゃない?』
「帳簿?…ああ、八百屋の」
『ちゃんとやりくりしないと、お母さんが赤字出すから』
仕方なくよ、と付け足すと笑われた。
「あはは、山本さんって面白い」
『…可愛いの間違いでしょ?』
きっ、と睨んでやると思っていた以上に近い顔があった。
黒いストレートの髪、同じ色の瞳。
………王子、ねぇ?
「続きは僕がやるよ」
そう言って紙を自分に向けてボールペンを取り出す。
『さっさと終わらせてよね。タクミが私の手作り弁当を待ってるんだから』
「タクミ?昨日のゲームのキャラ?」
『そうよ』
「本当に好きなんだね。山本さんモテるのにどうして?」
首を傾げる藤臣に昨日 潤に言ったことをそのまま言ってやった。
すると納得したように頷く。
放課後。
担任から早速委員長の仕事を頼まれた。
今日中にクラスメイトの名簿を作れということだった。
「お待たせ。ごめんね 先にやってもらって」
部活に遅れることを言いに行った藤臣が教室に帰ってきた。
部長なので休むわけにはいかないらしい。
『部長さんは大変ね』
「でもやりがいはあるよ」
嫌味のつもりで言ったのに気付かない。
これじゃ私が一方的にいじめてるみたいじゃない。
藤臣は私の前の席に座って向かい合わせになった。
そして半分くらい書いた名簿を見る。
「山本さんって字上手いね。習ってた?」
『別に習ってないけど。家の帳簿で鍛えられてるからじゃない?』
「帳簿?…ああ、八百屋の」
『ちゃんとやりくりしないと、お母さんが赤字出すから』
仕方なくよ、と付け足すと笑われた。
「あはは、山本さんって面白い」
『…可愛いの間違いでしょ?』
きっ、と睨んでやると思っていた以上に近い顔があった。
黒いストレートの髪、同じ色の瞳。
………王子、ねぇ?
「続きは僕がやるよ」
そう言って紙を自分に向けてボールペンを取り出す。
『さっさと終わらせてよね。タクミが私の手作り弁当を待ってるんだから』
「タクミ?昨日のゲームのキャラ?」
『そうよ』
「本当に好きなんだね。山本さんモテるのにどうして?」
首を傾げる藤臣に昨日 潤に言ったことをそのまま言ってやった。
すると納得したように頷く。