勿 忘 草 ー記憶喪失の恋ー【上】


あたしはその日退院する事ができた。


おばさんは泣きながら車に乗った。


あたしは亜蓮と同じ車。


黒くて、ふかふかなイスの車。


「亜蓮は高校あたしと同じ?」


「あぁ。」


「楽しいの?」


「つまんねぇよ。」


「ふーん…なんで?」

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